2015年9月16日 お香プチ勉強会「志野流香道」


去る9月16日、「日本文化を愛する会」2回目となるプチ勉強会が開催されました。テーマは香道。参加者24名と好評だったプチ勉強会の様子をレポートします。

講師は今泉房子先生です。香道の世界を垣間見るのが初めてであり、先生はどのような方なのかな、と思っていましたが、実際にお会いした先生は物腰柔らかな方であり、優しい口調で講義が進んでいきました。

 

講義では、まず、香道の歴史とのつながりからお話が始まりました。流派は御家流(公家)、志野流(武家)と二つあります。聖徳太子の時代に仏教伝来とともに南方より香木が伝わり、時代とともにお香を楽しむ方法も変わってゆきました。現在のスタイルが確立したのはおよそ600年前ということです。日本史が苦手な私でもわかるような易しい説明でした。

 

また、香道と文学の結びつきについても少し触れられました。お茶やお花と違い、お香は「かたちのないもの」であり、そのかたちを残す、という点が興味深いと感じました。

 

その後、聞香(もんこう)という、お香の楽しみ方に関するお話がありました。一部のお道具は実際に見せていただくことができました。お道具の受け渡しにもルールが細かく決められているのですが、この時点ではなかなか掴めないでいました。

 

今回のプチ勉強会は会議室で行われていたため、火を使わないシミュレーション形式での体験となりました。先生が用意して下さった聞香のお題が配られました。実際の聞香の場と同様に、参加者の間で香炉が右から左に送られ、雰囲気を掴むことができました。細かい決まりは同じ場に居るすべての人が楽しむことができるようにするためなのだと気づきました。

 

先生のご提案で、実際にお香が焚かれたという想定で回答を書いてみることになりました。最初に2種類のお香が1つずつサンプルとして焚かれ、問題として5回、それぞれどちらの種類だったかを当てる、というものです。5回ともすべて同じ種類という回答を書かれた方がおり、「先入観なく感じることが大事ですよ。」という先生のお言葉があり、印象的でした。


講師:今泉房子先生(志野流⾹道柏教室主宰)

聞香とは、香木の香りを深く味わって香りを当てる、室町時代末期から華開いた日本特有の文化。志野流香道を親しみやすく伝えている。

志野流⾹道

⾜利義政の近臣であった志野宗信を流祖に仰ぐ、我が国最⼤の⾹道流派で、歴史は500年に及び現家元蜂谷宗玄まで20世に亘り⼀度も途切れることなく⾹道を継承。